交換してもらった本

コミティアのことを書きます。2000円分の『熱紙』と900円分の『いかの教育』、デブリが2200円分も売れました。ありがとうございました。引き続き購入のほうよろしくお願いします。そんじゃあ次に交換していただいた本のことを書きます。

  • 中島武明、2015、『フツパ(56号)』

青山ぴゅー多の絵が見られることだけが救い。

  • 中島武明、2015、『フツパ(57号)』

青山ぴゅー多の絵という救いがない。

絵は紙の両面に描かれているけど、2回折り畳まれてラミネート加工されているので、四分の三が見えない。彼女の印刷物を見るときにこれを横に置いておくと、この線はこのタッチで描かれているはずだなあと思うことができる。

9人の作品が載っている本、だいたい漫画。
「ある地平とまがまが」、なにが描いてあるのか半分までしかわからない。縛られた蝦。ホタテの上に空の煙?変な月。草だらけのネズミ飼いの女。ネギが刺さった隕石。
ウツボカズラのページの男の髪の毛の切り抜き方がふざけている。ファッション誌等で絶対に見ることができる人物切り抜き処理の気持ち悪さへの反動だと類推する。この作品をどう見たらいいのかまだわからないけれど、エビとクサがいいと思う。
しわしわが描く絵のもやもや感が死んで平面的に見える。これは印刷したせいではないか。液晶ディスプレイで、光を溜めているような見え方のほうがいい気がする。たとえば《この絵》がよかった。《こっちの絵》のやる気のないライトもいい。今回は背景も趣向を変えてのっぺり気味にしたのか。わかりません。
「本当は仲良くなんてなくって」、短くて掴みにくいので150ページくらいの物語で見たい。
「巨人の鼻水でちっそく死」、印刷失敗!鉛筆書きの原稿をそのまま印刷するとしたらフルカラーで刷ったらいいのか?
読み返しても読んだ覚えのない感じがする漫画。三段ぶち抜きの丸太というのが新鮮。定規の使い方が天才的にラフ。
ロングバケーション」、電車で読んでいたのでエッチなページを飛ばした。デジタルの調整されたがたがたの絵が気持ちいい。
「いちねんにくみ」、怖過ぎ、ルール違反。

  • しわしわ・他、2015、『月刊メリス(47号)』

一部にしわしわの発言が載っているらしいけれど、トークで発言者の名前が書いていないし、紹介もないため完全にわからないフリーペーパー。そこが解消されたとしても、登場する人たちと仲良しでないと楽しむことは難しそう。編集した人の後書きに、「これを見て一瞬でも心が軽くなってもらえたら本望です。毎日つらくてだるいけど何とか生きて行こう」と書いてある。やだなあ。澱んでいる。エビデー・ライフを楽しんでいる人は対象読者ではない。

まず子供は最新のマイチケがどれかわからんし毎回同じチケ読み込んで毎回なかよしライブやったり毎回同じワンピを印刷したりしてる子結構見る…まあ親がこのライブでこの服を着ろとか言ってくるよりは全然いいと思うけど
https://twitter.com/oplant/status/635010964593573888

そんなことは言えない。毎回同じセッティングで遊んで面白いということは、まず、プリパラの力はその楽しさのなかにあると思ったほうがいい。1000回以上遊んで、神ランクに達して、プリパラにIDを5つ持つたなかは目が曇ってしまった。なにが最新のマイチケだよ。そんなの心のなかに装備されているから気にしなくていいんだ。

いままでより話を丁寧に書こうとした感じのする作品。死霊のすがわらの漫画を読むのはこれで、いま部屋で発見したのを数えて13。いままでと違う感じ。ぶっ飛んでて、フェティッシュであざとい、萌え萌えネコミミ決めポーズでごり押し、だったのが消え去っている。わかりやすく魅力的だった部分がごっそりなくなった。新しく始めるために、使い慣れた強烈な武器を捨てたような感じ、武道家が僧侶に転職するときと同じ。
でも語られる話は変わらない。コンプレックスを持った中年男性が女子高生に癒されるパターン。あるいは、その逆パターン。監禁して一方的に好き勝手する話、監禁して共依存的な芝居がはじまる話。『猛獣狩りにいこうよ』に似ているのは2011年の「rumbling hearts (君が望む永遠)」。2013年の「裸であなたと出会いたい」は内容も絵柄もイレギュラーで、世界を俯瞰する視点があった。そういうのもあったけど共通するのは、妙な観念で自分を縛って苦しんでいてカタルシスを求めるところ。とにかくカタルシスがほしくて仕方がない人たちが出てくる。そんな陳腐なものを絵の勢いで見せるというのが死霊のすがわらの漫画のイメージだった。
気になったところ。主人公・Tを性風俗店に誘う友人・Yが登場すること。友好的な第三者が物語に入ってくるのは珍しいと思う。いちばんよかったのもここだと思う。
悪いところ。とくに悪いのは、後編最初の小学生・T。小学生の感じが全然描けていない。同じページのおばさんの絵も全然よくないから、描きたくないものは描かなくていいんじゃないか。描くならもっとがんばれ。
本当に良くないのは花。この作品では花が花だけで何より美しく描けていないと駄目な気がする。
死霊のすがわらが『猛獣狩りにいこうよ』でやろうとしたことがわからない。とにかく絵を変えた。タイトルは元ネタがあるっぽいけど知らない。タイトルのポップさが作品にも入っていてほしい。
裏表紙が『空想下校』の使い回しだ。なにか関係があるのかな。